見えたのはソファに座って、何かを真剣な顔で見ている翔くん。
いったい、何をそんな難しそうな顔で見てるんだろう…?
いっつも余裕そうな顔で何でも器用にこなす翔くんがこんな難しそうな顔をするなんて…
よっぽどのものを見てるんだ。
いったい何を見ているのか気になり、勇気を振り絞り、ドアをもう少しだけ開けた。
うーん…もうちょっと…
首を伸ばし、なんとかして翔くんが見てるものを見ようとする。
「…へっ…?」
けど、それがあまりにも意外なもの過ぎてわたしはすっとんきょな声を小声で出した。
翔くんが真剣な顔して見ているのは、それはテレビのバラエティ番組だった。
って、えぇぇぇぇぇぇ!?
何これ!?
わたし、何か異常なものを見ちゃった気分。
だって、翔くんがバラエティなんて見るわけ無いじゃん。
いっつも経済ニュースばっか見てて、こういうのは一切興味を持たないのに…

