「かーける君!!もう約束の時間過ぎてるんだけど!?ねぇ、そこにいるんでしょう!?」




「寝てるの!?まさか僕たちと約束しておいて寝坊とかしたわけ?!」




そのうえ、聞き慣れた二人組の声まで聞こえてきた




ちなみに設楽の扉は全て内側からロックされているので、外からは開かない




もちろん翔くんの寝室も昨日の夜、翔くんが鍵をかけていたので、開くことはないと思うが・・・





「ねぇーー!!翔くん!!」




「いい加減にしないと扉ぶち破るよ?!」




ドンドンと激しく叩かれる扉は今にも二人に破られそうだ




やばい、前にわたしの部屋の扉も簡単に吹っ飛ばした二人だ、確実に今回もそれをやってのけるだろう




だがしかし、今はそれが問題なのではなく、問題はわたしと翔くん、二人がベットの中にいて、しかもお互い裸ということ




これはもう完全に大人の階段を登ってしまった決定的証拠で、もし今扉を破られ、この状態を見られたらもう言い訳のしようがない




あの二人のことだからきっとそのあと、想像もつかないぐらいの修羅場が待っているに違いない




そんなことを思っていると、扉がミシミシという嫌な音を立て、少しずつ破られていく





「もう、これはどうしようもないですね・・・」




「そうだな・・・」




修羅場を覚悟したわたしたちはギュッと手を繋ぎ、扉が完全に破られる光景をただジッと待っていた




そして扉が破られたその時、二つの影が現れる






当然の結果だが、そのあとは収拾もつかないほどの修羅場に化したのであった








【甘い夜の求め方】