気にしてない素振りでそんなことを聞くと、翔くんはウッと言葉を詰まらせる




「そ、それは、その・・・」




「あと、人のこと散々ブサイクだって言ったのも覚えてる?」




「・・・はい」




当時のことを思い出す翔くんはしゅんと肩を項垂れる




そんな翔くんを見て、少し可愛いと思ってしまったが、口に避けても言えない





「まぁ、所詮はうん、そういうことだよね、あはは」




「いや、そうじゃなくて、あれはその照れ隠しというか、その・・・本当にすいませんでした」





まさかあの翔くんから謝罪の言葉が聞けるなんて思わなかったわたしは思わず吃驚してしまった




「本当にもういいんだ。結局はこうやって結婚式ちゃーんと挙げてもらえたし、幼いころの夢も叶ったし、わたし、今すっごく幸せだよ。翔くんは?」




翔くんの腕にぎゅーっとしがみつきながらそう聞くと、ホッとしたような翔くんがとびっきりの笑顔で




「あぁ、俺も幸せだよ」




そう答えてくれた





これだけでわたしは翔くんに恋をして本当によかったって心から思えるんだ











『幼なじみ結婚』




【完】