ベールで隠されていたわたしの顔を見た翔くんは一瞬少し驚いたが、すぐに笑顔になる




そう、わたしはあまりにも嬉しすぎて、この時点で既に泣いてしまっていたのだ




折角綺麗に化粧をしてもらったのにぃぃと、止めようとするが、涙が溢れだして止まらない




そんなわたしの涙を拭き取るように頬にそっと指を滑らせ、翔くんはわたしにしか聞こえないくらいの小さな声で




「好きだよ、美咲。とっても大好きだよ」




そしてそっとわたしの唇にへと口づける




その瞬間、参列者たちからの拍手が一気に式場全体に鳴り響いた




数々のおめでとうが行き交う中、わたしと翔くんは見つめ合い、にこっと微笑みあった






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フラワーシャワーやブーケトス、そんな様々な結婚式特有のイベントを行うために式場の外へとわたしは翔くんと腕を組みながら移動していた





「・・・そういえばさぁ、翔くん。覚えてる?」




「ん、何だ?」




「翔くんさぁ、わたしたちがまだ結婚したばかりのとき、わたしのこと設楽の恥とかなんとか言ってたよね」