今思えば、本当に長い道のりだったな




わたしが翔くんを好きになったのは随分昔のことで、それなのに想いが通じたのは少し前の出来事だった




そう思うと、本当に相当な遠回りをしてきたな、おい




だけど




指輪交換をしてる最中の翔くんを見て、わたしはまた胸をきゅんとさせる




わたし、やっと翔くんのお嫁さんになったんだよ




昔からの夢だった大好きな翔くんとの結婚が現実になったんだよ




本当に最初は最悪で、毎日嫌で嫌で堪らなかったのに、やっぱりあなたが好きだと思い知らされて、そして今ここにいる




これがどれだけ嬉しいことかは言葉では言い表せない





「では、ベールをあげ、誓いのキスを」




ついにこの時が来た




神父の言葉で、ベールを上げられ、さっきまでベール越しだった翔くんの顔がはっきりと見える




つまりそれは翔くんもわたしの顔がよく見えるということだ