父さんが離れていくのを見て、わたしは小声で翔くんにいったい何を話していたのかを聞くと、翔くんは笑顔で内緒と答えた
変なのと思ったが、そんな疑問はすぐに吹っ飛んでしまった
目の前には神父さんがいて、わたしたちが二人揃うのを見計らってから、毎度お馴染みのあの言葉を言いあげる
「新郎、翔
あなたはこの新婦、美咲を妻として神の見定めに従い、婚姻を結び、その健やかなときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い
その命ある限り、深心を尽くし、支え愛することを誓いますか?」
「はい、誓います」
力強く誓ってくれた翔くんの横顔にきゅんとしたが、そんな余韻に浸っている暇もなく、神父は次にわたしに問いかける
「新婦、美咲
あなたはこの新郎、翔を夫として神の見定めに従い、婚姻を結び、その健やかなときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い
その命ある限り、深心を尽くし、支え愛することを誓いますか?」
「誓います」

