「うわっ、美咲天使過ぎる!!」
「かわいぃぃぃ!!式場に行かせたくない!!」
いつもの調子でぎゅーっと二人に抱きしめられる
式場に行かせたくないって・・・あなたたちがこの結婚式を仕組んだのでしょ?
今更花嫁を誘拐とかそんな計画立てないで下さいよ
本当にやりそうだから、それがこの二人の怖いところ
「それにしても、本当に綺麗だよ。美咲」
「うん。翔くんには勿体ないぐらい」
優しくわたしの両頬を包む兄さんたちの手は大きくて、暖かくて、わたしの大好きな手
兄さんたちは初めから色々とぶっ飛んでた
去年の16歳の誕生日のとき、翔くんと結婚だーとか花菱存続のためだーとかほぼ脅しに近いことをされ、本当に殺意を覚えたが、それでもやっぱりわたしはそんな兄たちに感謝をしている
翔くんのことを諦めようと駄々をこねて設楽に帰りたくないと言った時も、兄さんたちは泣いているわたしを無理やり連れ出して、背中を押し出してくれた
どんな時でも彼らはやっぱり、わたしの兄さんだ

