「そ、そんな大切なもの・・・」
「いえいえ、貰ってくださいな。それにこれを美咲さんに贈れと言ったのはあの人なんですよ」
「・・・あの人って・・・?」
クスッと微笑んだ涼香さんはドアの向こうに視線を向ける
その仕草でそれがいったい誰だがわかったわたしは驚きでつい声を張り上げてしまう
「えっ?!もしかして巧、叔父さんですか?!」
「えぇ、美咲さんもこれで名実ともに設楽に嫁ぐことですし、そもそもこれはずっと前の設楽の当主が自分の妻に贈り、それを嫁いできたお嫁様に贈るというしきたりがあるとか、ないとか・・・。ともかく、これからも翔をお願いしますよ」
箱からそれを取り出すと、涼香さんはわたしの首へとつけてくれた
「あの子、本当はとっても繊細な子なんです。だから、美咲さんはちゃんと翔が崩れていかないように守ってあげてくださいね」
耳元で優しくソッと囁かれ、わたしは何度も首を縦に振る
知っています、涼香さん
翔くんはとっても優しくて、とっても脆い人だから
わたしがずっと彼の傍にいて、守っていきます
涼香さんと巧叔父さんにネックレスを託されたと同時に、翔くんのこれからも一緒に託された、そんな気がした

