なんてことを考えていたら、キャサリーヌさんの息子が顔を真っ赤にして、母親に背中を押されながらわたしに差し出してきたのは青い花で造られた花束だった
「これ・・・その、結婚・・・だから、その・・・」
きっと緊張しすぎて自分で何を言っているのかわからなくなった息子くんはぴゃーとすぐにキャサリーヌさんの後ろへと姿を隠した
写真で見たときも可愛い子だなぁって思ったけど、実物はもっとかわゆいのぉ~
「もぉー、この子は・・・。ミサキ、サムシングフォーですよ、それは」
「サムシング、フォー?」
いったい何のことだと首を傾げると、母さんはなるほどと納得した
「ヨーロッパでの古い風習ね。確か新婦に4つのものを身に着けると幸せになるっていうあの」
「そうデス!Something Old、一つは古いもの。Something New、一つは新しいもの。Something Borrowed、一つは借りたもの。そして最後はSomething Blue、幸福の色を表す青いもの」
青いものと言われ、わたしは先ほど貰った青い花束に視線を移す
「えっ、じゃあこれって・・・」
「そうデス。Something Blue、アナタとカケルがいつまでも幸せになりますよーにと願いをかけながらジュニアと造ったんデスヨ」
そう言われ、わたしは驚きと嬉しさで化粧をしてるというのに涙が零れ落ちそうだった

