「とにかくさっきのはナシだからね」
「えぇぇぇぇぇ!!なんでさ!!美咲、結婚式挙げてくれるって!!」
「まさか美咲も嘘つきになったの!?兄さんたち悲しい!!」
「どの口が言うか」
殴られて、土下座させられても尚諦めようとしないこの姿勢
もう呆れを通り越して、尊敬に値するね
でも例えかなり冗談がきついことだとしても、あんなことまでしても兄さんたちは結婚式を挙げたいと言ってくれている
自分勝手な理由で断っちゃたのは少し酷かったかな・・・と反省していると、後ろからポンポンと肩を叩かれた
振り向くと、翔くんがいて
「別にいいんじゃないか?お言葉に甘えさせて、挙げちゃえば」
「でも、前よりはマシになったけど、翔くんたちもまだまだ忙しそうだし・・・」
「たぶん結婚式の準備はこの双子が殆どやっていると思うし、それに・・・、俺も、美咲のウエディングドレス姿、見たいし・・・」
頬を赤らめながらそう言う翔くんにキューンときて、さっきまでの怒りとかなんとかそういうものが全部吹き飛んだ
「か、翔くんがそう言うなら、やろうかな・・・」
そんな甘い雰囲気のわたしたちを周りの人たちは微笑ましく見ていたが、土下座させられている兄さんたちは
「何この甘い雰囲気は?!」
「僕たちのときと反応がまったく違う!!」
うるさかった
そんなこんなでわたし、花菱改め設楽美咲は大好きな翔くんとの結婚式を挙げることを決意しました

