「ううん、こちらこそこれからもよろしく、美咲」
「うん」
二人で顔を見合わせながら笑いあい、こうしてわたしたちの関係はこれからも続いていく
そうこうしている間に、授業終了のチャイムがあと少しで鳴るので、二人で一緒に廊下を歩いてる時にわたしはあることを聞いてみた
「そういえばね、わたしの家で父さんの退院祝いと、クスマスパーティを一緒にやるんだけど、人数が多いほうが楽しいから輝も来なよ」
「えっ・・・、俺はいいよ。さすがに行きづらいし・・・」
きっと花菱を利用したことの後ろめたさがあるのだろう
でもたぶんわたしの家族は誰一人してそのことを責めないし、気にしてはいない
「えぇー、来なよ。絶対に楽しいから」
「いや、でも・・・」
頑なに拒み続ける輝に、わたしはおそるおそるあの人の名前を口に出す
「翔くんも来るんだけどなぁー・・・」
「えっ?!じゃ、じゃあ行く・・・」
さっきまで断固行かないみたいな態度をしていたくせに翔くんの名前を出した途端にあっさりと手のひらを返しやがった
ちょっ、マジで翔くん大好きじゃないですか、輝!!
しかも心なしか少し嬉しそうに見えるのは気のせいだろうか?
・・・もしかしたらわたしは開いてはいけない扉を開いてしまったのかもしれません

