巧叔父さんにずっと憧れていた翔くんを見てきたわたしは、輝の話を聞いているうちになんとなく似ているなって思ってしまった
翔くんが巧叔父さんを必死に追いかけていたその後ろに、輝が翔くんを追いかけていたのは、きっと憧れで、どうしてもあの人になれないのが悲しくなって、憎むようになってしまったんだ
最初は動揺していた輝だが、何かを考えているうちに徐々に落ち着きを取り戻し、最終的に自分の中で何かの決着をつけたらしい
「確かに、美咲に近づいたのは設楽翔がきっかけだった」
「えっ!?嘘?!」
「酷い話だけど、本当。どうしても設楽翔に勝ちたくて、設楽翔の好きな美咲を自分の方に向かせようとしてた」
衝撃な事実を知り、予想以上に自分はショックを受けていた
まさかわたしと友人になったのがそんな理由だったとは・・・
ん?でも待って
「なんで輝は翔くんがわたしのこと好きなんて知ってたの?」
「そりゃあ他の人にはいつも胡散臭い笑顔を振りまいていたのに、美咲にだけは冷たい態度を取るから、すぐにわかった。設楽翔はこの子が好きなんだなって」
マジか、そんなにわかりやすかった
でも気付けなかったわたしが相当鈍感だったのか、それとも輝が相当翔くんを観察していたのかのどっちなんだが
それがどっちであろうと嫌だ
結局輝は翔くんのこと相当意識してるってことじゃん!!

