人だかりの中心には会いたかったのか会いたくなかったのかわからないが、顔を見た瞬間、とても懐かしいと思った




長い間学校に来てなかった輝はニュースの一件や結城のことで色々と注目の的だ




果たしてわたしがここで輝の元へと駆け寄ってもいいのかと悩んでいるうちに輝がわたしの元へとやってきた




「・・・久しぶり、美咲」




「・・・お、お久しぶりです」




久しぶりに見た輝はやはり大変だったのか少しだけ痩せた気がする




これも自分が輝の背中を押してしまったせいかはわからないが、輝の表情はどこか穏やかだった




「少し、いい?」




そう聞かれたので、首を縦に振り、輝の後について行った




もちろん何やら周りでコソコソ噂話をされているのが痛いほどわかるが、正直言ってどうでもよかった




だってどうせこの人たちがどんなに噂を立てようが、彼らは真実を知る由もないのだから




そんなものを気にしたって、まったくの無意味である