「それをいうんだったら巧叔父さんだって今日はなんだかいつもより雰囲気が穏やかですよ」
「・・・そうか?」
「そーですよ!いつもだったら自分、今とっても不機嫌っすみたいな空気バンバンと垂れ流してるじゃないですか」
どうやら俺自身気づかぬうちにいつもより上機嫌になっていたらしい
少し癪だが、きっとそれは昨日の夜、あの男が部屋に訪ねてきてくれたおかげなのかもしれない
「まぁ不機嫌より全然いいですから。そんなことよりメロン食べましょう、メロン!!わたし剥きますから!!」
「は?剥く?何を?」
「メロンに決まってるじゃないですか!!わたし、球体の果物の皮なら剥ける自信があります!!」
「いや、メロンはそんな風に食べる果物じゃなくて・・・」
俺の言ってる事なんか無視して、いつもの果物ナイフを片手に彼女は剥く気満々だ
確かにりんごの皮はここ最近で綺麗に剥けるようになってはいた
だが、りんごとメロンは明らかに違う
大変な事態になることは目に見えている
「ちょっと待て、おい!!」
「それじゃあ剥きまーす」
なんとか止めようとしたが、既に遅く、彼女は指をすべらせ、初めてりんごを剥いた日のときと同じようにナイフを自分の指へと突き刺した
そしてそんな彼女の悲鳴が部屋中に響きまわったのは想像するまでもなかった
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