結局、あの娘は最初からずっと俺から逃げようとはしなかった
最初から食って掛かってきて、最終的には俺を理解したいとかなんとか言ってここに何度も訪れてきていた
当初は本当に鬱陶しく思っていて、会話もロクにしなかったが、それでも彼女は来続けた、何度でも
普通の人間だったら相手にされていないと気づいた時点で会いに来るのを躊躇してしまうが、彼女は違っていた
どんなに冷たく接していていようが、鬱陶しく思われていようが、それに気付いていても尚やって来る
強い精神力の持ち主かと思っていたが、そうではなくきっと人一倍傷つきやすい娘なのだろう、笑顔を見せていたが、ナイフを持っていた手はいつも震えていたし、視線を合わせることで気づかれるのを恐れていたのか、いつも俯いていた
それでも、どんなに傷ついていようが彼女は立ち止まることはなかった
傷だらけで既にボロボロになっていても、何個もの絆創膏を貼り、必死に前だけを見て歩き続けていた
彼女は、強い娘だ
「・・・そういうところも僕に似たのかなーえへへ」
「そこは否定させてもらおう。どっちかと言うと、母親寄りだろう」
「いつも思ってるんだけど、君、僕に対しての評価だけ異常に低いよね。なんで?」
「自分の言動全てを思い返してみろ」
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