「だからね、きっとすぐなんだよ」
「は?」
「翔くんもすぐに君の背中に追いついて、そのまま追い抜いていくのもきっとそう遠くない未来な気がする。だから君もせいぜい余裕ぶっこいていられるのも今のうちなんだよ」
ふんっ、そんなことそう簡単に訪れるわけがない
けれども、そういう未来に少し期待する自分もいる
それはそれで悪くはない
あの未熟者がいつになったらここまで辿り着くのか、せいぜい楽しませてもらうことにしよう
*
*
「けど、君の言葉の伝達力の低さにはほとほと困らされるよ」
本日何袋目かになるかわからない菓子袋を開けながら雪はぼそりと呟いた
「昔もさぁー、君の言った一言でまだ幼い翔くんがお気に入りの熊のぬいぐるみを自分で切り刻んじゃったって事件覚えてる?」
「・・・」
覚えてるも何もあの一件がきっかけで親子の間に亀裂が走ったからな、忘れるなんてことはありえない

