「そういえば、お前。何故こんなところにいるんだ?」
「ん?」
また何処かから取り出したチョコレートを頬張る雪は俺の質問に対し、きょとんと首を傾がせた
花菱の長女の話からすると、こいつは確か仕事をしたくないという馬鹿げた理由で病室に籠っていたはずだ
なのに奴は今、目の前で呑気に菓子を食い続けている
「あぁー、そうだった。忘れてた。僕ねぇ、今日花菱の社長クビになっちゃんたんだよね」
そんな衝撃な発言をさも当たり前のように口走った奴はまた一つチョコレートを口の中に入れた
「・・・はっ?」
信じられない言葉に自分の耳を疑った
クビ・・・?
何故花菱の最高責任者であるこいつがクビにされたのか意味がわからなかった
そんな俺の表情で心の中を読み取ったかのか、雪は淡々とそれについて説明をする
「ほら、僕って意外と繊細だからさ、超多忙アーンド超不景気のおかげで胃にぽっかり穴が開いてしまったので、暫くの間お休みをもらうことしたんだけど
お察しの通り、僕は君ほど仕事人間ではなく人並み以上に怠惰な人間であることは自覚している。徐々に体調が回復していく中、僕がいない間に膨大に膨れ上がった山積みの後始末に僕は嫌気がさして、お恥ずかしながらつい先ほどまで病室に籠っていたんだよ」

