「更に驚くことにそれぜーんぶ違う人から贈られてきててね、中には君が倒産させた会社の社長の娘さんから送られてきたものもあってね、それ全部みーんな巧くんのために送ってきてくれたんだよ。
もし本当に巧くんがただの非情な人間だったなら、そんなにたくさんの人が君のことを心配してそんなことをしてはくれないよ。
だからね、巧くん、君はもう少しだけ自分のこと好きになってあげてもいいんじゃないのかな?」
真っ暗だったはずの目の前に一筋の光が見えたような、そんな気分だった
「それにね、僕も普段なら絶対に言わないけど、君には本当に感謝してるんだよ。あの時、あの場所で僕を見つけ出してくれたことに。
君に会う前の僕の人生は酷く退屈でただ敷かれているレールの上を歩いて行くだけのものだったんだ。でも君に会えたおかげで、僕の人生はこんなにも輝いてキラキラしていたことに気付けたんだよ。
本当に、ありがとう」
珍しくそんなことを言うもんだから、危うく張りつめていた何かが切れそうになる
「君は気付いてないかもしれないと思うけど、君はちゃんと人のことを考えて、それを行動に移す力を持っている人なんだよ。
だから結局はみんな君のことが大好きで、嫌いになりたくてもなれないんだよ。
僕が思うに、翔くんはずっと前から君のそういうところに気付いてたんじゃないのかな?だから君の後を必死に追いかけていたんだよ、君のような優しい人間になりたくてたまらないんだよ、きっと」
もう駄目だ
張りつめていた何が徐々に緩み、そして落ちていく
ぼやけていく視界の中、奴の能天気な声だけが聞こえてくる
「・・・あれ?もしかして巧くん泣いてるの?えっ、マジで?!うわっ、激レア!!見せて、泣いてる巧くん見てみたい!!」
そんなアホなことを抜かす奴の頬を叩いてみたが、いつものような力は出なかった
ありがとう
ありがとう
本当にありがとう
初めて自分は救われてもいいんだと、救われた気がしたんだ

