「そういえば、バリっ、巧くん、ボリっ、知ってる?バリバリバリ」
「食うか喋るかどっちかにしろ」
雪はどこからともなく取り出した煎餅を品性の欠片もなくボリボリと口の中に頬張りながら喋ってくる奴に再度腹を立てる
がそんな俺の言葉を無視し、奴は話を続ける
「春と秋に聞いたんだけどボリボリ、ある男が頑張ってきた息子に対して、ボリッ『跡を継げとは命じてない』なんてバリボリ、ひっでぇーこと言ったんだってー」
その言葉にピタッと動きを止める
「ほ、ほぉ・・・そうなのか」
その言葉はまさしく自分自身が放った言葉だが、この場はとりあえずやりすごそうと他人事のように聞くことにする
「本当にさぁ、その親の顔見てみたいもんだよ。聞けば息子くん、今も毎日寝ずに頑張ってるっていうじゃない?なのにそんなことが平気で言えるなんて信じられないよ」
「・・・・・・」
「僕だったら愛する子供たちにそんなこと言えないよー。あぁー、本当に見てみたいよ、そのひっどい親がいったい今どんな顔をしているか」
「・・・悪かったな。ひっどい親で」
明らかに俺に向けられる挑発に、俺はまんまとのせられる

