「それで、今日はいったい何の用だ?」
「やだなぁー、巧くん。そんなの君のお見舞いに決まってるじゃないか。お・み・ま・い、キャハッ」
少し会わない間にますます鬱陶しくなったのか、それとも昔からそうであり俺がただ単に忘れているだけなのかはわからないが、さっき緩めた拳を再度握りしめ、躊躇なく奴目がけて放った
それは綺麗に奴の右頬にクリーンヒットする
「いった!!酷いよ、巧くん!!数年ぶりに会った親友にいきなりグーで殴るって、君は鬼かい?!」
「誰が親友だ、俺はお前を友だと思ったことは一度もない」
「ひっど!!僕が君の友達じゃないなら、君確実に友達ゼロじゃん!!や~い、ぼっち・・・だだだだだだ!!ごめんなさい、頬っぺた引っ張らないでだだだっだ!!」
無駄口の減らない奴の頬を容赦なくつねると、あっさりと降伏した奴は頬をさすりながら涙目で呟いた
「いやぁ、それにしても、うん。本当に久しぶりだね、巧くん。昔と全然変わってないね」
その言葉に俺は眉をぴくりと動かした
変わっていない・・・?
「お前はそうかもしれないな。だけど俺はあのころとは全然違う」