生まれ変わるなら鳥になりたい
そんなメルヘンなことを友人に言うと、あの男はゲラゲラと笑いながら俺の頭がおかしくなったとか騒いでいたが、俺だって転生などという不確かなことは信じていない
もちろん鳥籠の中にいる綺麗な羽の鳥なんかではなく、自由に空を飛び回る野鳥
昔から野鳥の観察が趣味だったが、本当は自由に飛んで行ける彼らが羨ましかったのかもしれない
何故なら俺にはなかったからだ
空で自由に羽ばたかせる羽も、どこまでも遠く飛んでいく翼も、俺にはなかった
だからずっと鳥籠の中生きていく
別にそれでもよかった
だけどせめてあの子だけはどうか鳥籠の中から抜け出せるようにと、作り物の羽を与える
どうかどこまでも広がる遠くの空まで飛び出していけるように
願っている
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