さっきの発言で相当いじけてしまったのか、ベットに入っても仏頂面で中々眠ろうとしない翔くんにわたしは駆け寄る
「翔くん、ごめんねー。嫌いにならないから、早く寝ようねー」
子供を寝かしつけるようにポンポンと体を軽く叩いてみたが、一向に眠る気配がない
いや、ベットに入ったんだから、もう寝ようよ
仕方ないなぁ、ここは気を紛らわせるためにお話でもするかな
そういえばさっきは翔くんをベットに誘導することに必死で気づかなかったけど、翔くんとこんな風に二人っきりでお話しするのは久しぶりだな
でも長話はいけないから、出来るだけ短めの話をしよう
「翔くんって昔から夜はあまり寝付けない子供だったの?」
「・・・なんで?」
「だって全然寝てくれる感じしないし・・・こんなだったら、涼香さん大変だったんだろうなーって・・・」
・・・そういや、涼香さんにわたし久しく会ってないぞ?
最後に会ったのは設楽に嫁いできた次の日の朝に廊下でばったりでそれっきり会ってない・・・
少し不思議に思ったが、翔くんが会話の返しをしてくれたので考えるのをやめた
「別にそんなことはない・・・ただ・・・」
「ただ?」

