ささと腕を広げてわたしを受け入れる準備ばっちりの二人だったが、ここは敢えて無視
「ねぇ、兄さんたち覚えてる?」
「ん?何を?」
「4年前にさ、突然夏兄さんがいなくなっちゃって、どうしていないのって聞いたの覚えてる?」
「うん、覚えてるよ。美咲がまだ12歳のころだったね」
「懐かしいなー」
いや、今ここで昔を懐かしまなくていいから
「その時、兄さんたち、わたしになんて答えたか・・・覚えてないわけないよね?」
にこっと笑顔でそう聞くと、自分たちがなんて言ったか思い出したのか、二人は顔を見合わせ、うわっ、やっばという表情を見せていた
その反応でわたしは確信を得た
この二人、絶対あの時嘘吐いた!!12歳の幼気なわたしに嘘ついた!!
「うん。まぁ、それはそれで別にいいんだよ。わたしそんなに気にしてないし」
そう言いながらもわたしは自分の肩の様子を確認するために腕を回す
「いやいや、美咲ちゃん。僕たちはその、別に好きで君に嘘をついてたんじゃないんだよ」
「そうそう。変な心配をかけさせないためであって、決して騙したわけじゃ・・・」
これからいったい何をされるのかに感づいた二人は今更になって必死に弁解してきた
「・・・春たちは何か言ったのかな?」
今の状況があまりわかっていない夏兄さんはきょとんと首を傾がせる

