結局、巧叔父さんが何を考えているのかわからないまま、わたしは家路についた
あと少し
きっとあと少しなんだ
あと少しで設楽巧という人間がどういう人なのかがわかる気がする
でもそれがわかるためにあと何かが足りない
たくさんの時間をかけて作り上げたパズルがあとワンピースで完成するのだが、そのピースはどこにあるのだろうか?
巧叔父さんがまだ隠し持っているのか、それとも他の誰かが・・・?
もう少しで冬に入るので、この時間帯だが少し薄暗くなった道を歩きながら、悶々と考えていると、設楽の正門の前に誰かが立っていた
・・・いったい誰なんだろう?
こんな時間帯に人が通るなんておかしいし、第一ここ一帯は設楽の所有地だから人が訪れることも滅多にない
怪しいなぁ・・・と警戒しながら近づいていくと、近づくにつれてあれっ?となった
なんだろう、この人、どこかで会った・・・?ううん、そんなんじゃない
もっと昔から、ずっと近くにいたような・・・
昔からよく知っている人の背格好にとても似ている、けどここにいるはずのない人物だったのでまだわからない

