持ってきたりんごを全て剥き終わったころ、巧叔父さんもやっと書類を読み終えたのか、かけていた眼鏡をベット脇のテーブルに置いた
「・・・終わりましたか?」
「あぁ、一応は。というか、まだいたのか」
最近よくこの質問を聞かれますね、でも残念、わたしまだここにいるんです
まだ腹のムカムカも消えていませんからね
「・・・その、巧叔父さんは翔くんのこと、心配じゃないんですか?」
「・・・というと?」
「翔くん、どう見たってすっごい疲れてるじゃないですか。だからもうちょっとだけでも優しい言葉ぐらいかけてあげても・・・」
「ほう。自分の体調管理も出来ない奴を俺に甘やかせというのか?」
巧叔父さんの言葉にわたしは徐々に眉間に皺をよせる
本当に・・・、なんでこの人は・・・
もうこの人に何言っても無駄だと思い、帰ろうと席を立ったそのとき
「第一、そんな言葉を奴に投げかけたところであいつは聞く耳を持たない」

