幼なじみ結婚




慌ててキャサリーヌさんの後ろに隠れると同時に、扉が開き、ギリギリセーフ




明らかに落ちこんでいる翔くんは暫くぼーっと呆けていたが、目の前にキャサリーヌさんがいることに気付いた




「・・・いたのか」




「はい、イマシタ!カケル、とてもお疲れのようですから、どうです?甘いものでも、食べマスカ?」




キャサリーヌさんはわたしがあげたケーキの箱を差し出すも、翔くんは首を横に振る




「いい、いらない」




そう言って、エレベーターへと向かったのだが、足取りがいつもよりもフラフラしていて、とても危なっかしい




「カケル!今日は早目に休むことを推奨シマス!!体に気を付けて!!」




こちらを振り向かず、微かに手を振って返事をした翔くんはエレベーターの中へと姿を消した




「今すぐ、ダーリンにメールして、カケルに休息を取らせるようにお願いしてきマス!!」




さすがのキャサリーヌさんもさっきの翔くんの様子を見て心配になったのか、携帯を取り出し、目にも止まらぬ速さでメールを誰かに、というか旦那さんに送った




前聞いたのだが、どうやらキャサリーヌさんの旦那さんは翔くんの教育係みたいな存在らしい




とりあえずわたしも今日の夜、絶対に翔くんをベットの中に押し込み、翔くんが眠りにつくまで傍で見張っていよう