*
*
別の日、いつものようにキャサリーヌさんへの賄賂のスイーツとお見舞い用のりんごを持って、設楽本社の最上階に着くと、廊下で社長室の中を覗き見るキャサリーヌさんの姿が見えた
何、してるんだろう・・・この人
「あのーっ・・・」
「はっ!ミサキ!!」
わたしが近づいて声をかけるまでまったく気づかなかったのか、かなり驚いてるご様子
だけどわたしの持っていたケーキの箱を見るなり、とてつもない笑顔で飛びついてきた
「さっすが、ミサキですーー!!とってもとっても愛してマスヨ!!」
ケーキの箱を天高く上げて喜んでいるキャサリーヌさんだが、お見舞い初日のあの雑誌の件で素直に喜んでいるキャサリーヌさんを見て喜べない自分がいる
それにしても
「いったい、何を見てたんですか?」
「それはデスネー」
こっちこっちと誘導されて、わたしはさっきまでキャサリーヌさんが覗いていたドアの隙間から部屋の中の様子を見た

