でも昔の父さんか・・・
幼いころから父さんは忙しく、大好きだったとしてもあまり一緒にいられることはなかった、だからわたしの記憶の中に父との思い出は少なく、それを紛らわせてくれるかのように兄たちがよく一緒に遊んでくれていた、いやいじめられていた?
そのせいで父さんのことをあまり知らないので、ちょっとだけ興味が湧いてきた
「昔の父さんってどんな感じですか?」
「今とあまり変わらない。常にふざげていて、人を苛立たせるのに長けていて、昔から奴の言動全てに腹を立たせていたな」
・・・あれっ?
ちょっ、これが本当に昔からの友人の話をする人から出る言葉ですか?
完璧に嫌ってますよね!?父さんのこと!!
「・・・でも、不思議と憎めない男だったよ」
そしてふわりとさっきの爆笑とは違う、目を細め、昔のことを思い出す巧叔父さんの顔は笑っていた
うわぁっ
不覚ながらにもその笑顔にドキッとしてしまったわたしは自分の頬を叩く
何、ドキッとしているわたし!!
巧叔父さんはぶっちゃけていうと、翔くんとは顔があまり似ていない、でも確かにさっき笑ったとき少しだけ翔くんの姿が思い浮かんだ

