「じゃん!!見てください!!ついにわたし、うさちゃんりんごを剥けるようにまでなったんですよ!!」
高らかに剥きあがったりんごを見せつけると、巧叔父さんはチラッとそれを一瞥して一言
「その、耳が片方欠けているそれをうさぎというのか、お前は・・・。恐ろしいな」
「うっ・・・」
巧叔父さんにそう指摘されたわたしは確かに片方の耳がないうさちゃんりんごを見た
確かにそうだけど、そうだけど・・・
でも少しは褒めてくれてもよくない!?
最初は血だらけのあの恐怖のりんごから片耳がないにしてもうさちゃんりんごまで剥けるようになったわたしは進歩したのだよ
最近は桂さんの前で剥いていてもナイフを取り上げられることはないし、兄さんたちにもすごい、すごーいって棒読みでも拍手してもらったし・・・
まぁ・・・確かに大企業の社長さんにこんなことを自慢しても意味ないもんねぇ
それよりも最近、巧叔父さんがちゃんとわたしと会話してくれるようになりました
ほんのちょぴっとだけど
あの日、わたしが巧叔父さんに相談事をしてからかな?口数が増えてきて、わたし的には本当にうれしいです