予想外れの答えに思わず間抜けな声を出してしまったが、やっぱり巧叔父さんはこんな小娘の悩み事に興味なんてあるわけありませんよね
わかってましたよ、はい
「だから、俺にはわからないと言った。そもそもその選択が正しいか、そうでないかなんて誰にもわかるはずがない。何せ正解がないからな」
「は?」
自虐的にこの話を終わらせようとしていたわたしに意味のわからない言葉を吹っ掛けてくる巧叔父さん
「人間生きていたら誰しもたくさんの選択肢へとぶち当たる。俺も今までそれにぶち当たってきたが、自分の選択が正しかったのかなんて一度もわからなった。けど自分が選んだ答えだったからもしれないが、その選択の先にあった未来に後悔は一度たりともしたことがなかった。もちろん全ての未来が思い描いた通りになったわけではなかったが、それでもよかったと思える」
「・・・」
「問題なのはそれが正しかったのかというよりも、その選択でお前自身が後悔しないのかだ。お前はそれで後悔はしないのか?」
巧叔父さんから思いがけないことを言われ、そして最後には質問を質問返しされるという事態になってしまったが、
「・・・はい、しません」
自然と口が開き、わたしはその質問に答えていた
・・・そっか、正しい答えなんてないんだ、ってことは100パーセント間違っている答えもないってことだよね

