わたしが連絡したのは知っての通り、結城家三女の絶世なる美女、美礼さん




美礼さんも結城の人間だからもしかしたらこの時期に会ってくれないかもしれないと駄目元で前会ったときに貰った連絡先に連絡してみると、返事は意外と即OKだった




それに今の様子を見ていると、とても結城が倒産することを知っているとは思えない




もしかしたら兄さんたちの思い違いかもしれない・・・




美礼さんに手を引かれたままさっきとはまったく別の場所から敷地内に入り、設楽の屋敷にも負けないほど立派な結城の屋敷の中へと案内された




「・・・大きいですね」




「そう?設楽に比べちゃ小さいものよ」




「それでもわたしの家よりは断然に大きいです!!」




「んー、まぁ普通よりかは大きいか、でももうすぐ売り払っちゃうし」




えっ



いきなりそんなことを言うもんだから、返事に困ってしまう




売り払うって・・・それって、やっぱり・・・




最終的に案内されたのは広い客室で、テーブルの上には既に紅茶とお菓子が用意されてあった