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「それで毎日美咲はこんなとこでこんなことをしていたんだね」
「うぅっ・・・はい・・・」
場所は変わり、ここは誰もいなくなった花菱の屋敷の一部屋
わたしはそこで双子の兄たちと大量の造花作りをしていました
どうしてこんなことをしているのかというと、お小遣い稼ぎです、つまりわたしは今、内職をしています
別に花菱が買収されたから買い戻そうという資金集めではなく、これはそう、巧叔父さんのお見舞いに行くとき用のりんごを買うためにやっているのです
りんごを買うくらいのお金は持ってるだろうと突っ込んでくれたみなさんよ、聞いてください
あれからわたしは毎日とはいかないが、三日に一回のペースで巧叔父さんのところにお見舞いに行きます
一回のお見舞いに持っていくりんごの数は凡そ3個
しかもお見舞いの品だから結構高い、一玉500円以上する代物を用意しているのです
そして他にもりんごを剥く練習用のりんごも自分で買わなければいけなく、かなりの破産状態です
「その上、まさかキャサリーヌさんにこんなものを渡されるとは・・・」
あの日キャサリーヌさんに渡されたそれを見て、わたしは小さくため息をつく
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