「言っておくが、それはただの迷惑行為だ。今すぐ部屋から出ていきなさい」
「め、迷惑行為って!!人の好意は素直に受け取っておくべきですよ!!」
「好意というのは仕事中の人間を邪魔し、その上病人に世にも奇妙な形をした君の血の付いた不衛生極まりないりんごを差し出すことか?」
うぐっ
確かにそう言われると、わたしのさっきまでの行動は人を不愉快にさせる可能性が高い
というかそうされた当の本人は既にご立腹のようだ
何も言い返せないわたしは肩を落とし、顔を伏せ、そして立ち上がる
自分の言うことに納得したのかと少しホッとした様子の巧叔父さんはわたしの次の行動を目にするとぎょっと目を見開かせた
わたしは血の付いたりんごを一つ摘まみ、そしてぱくりと口の中に入れた
「なっ・・・、やめなさい。もし食べるとしても、一度洗ってから・・・」
巧叔父さんの声も聞かずにわたしは一心不乱にりんごを食べ進める
さすがに血がついていることがあって厭に鉄臭い
だけどまた一つ、りんごを口の中に放り込む

