巧叔父さんのお見舞いに行こう!と思い立ってはみたものの、あの様子だと部屋に入れてくれそうにもないなぁっと悩んだ末に考え付いたのがキャサリーヌさんに賄賂をということだった




会社での設楽叔父さんのスケジュール管理とかそういうものを色々やっているのはキャサリーヌさんなので彼女をなんとかしようと女子高生らしからぬ考えをもったわたしはとりあえずキャサリーヌさんの甘いもの好きということなので都内でも有名な洋菓子店に朝早くから並び、賄賂のシュークリームを手に入れたのはいいものの、途中であんな性格をしたキャサリーヌさんだけどあの人も社長秘書、所詮は巧叔父さん側の人!!と最大の落とし穴に気付き落胆していたが、駄目元でシュークリームを渡すと、喜んで部屋へと案内してくれた




わたしが言うのもなんだけど、それでいいのか!?社長秘書!!




甘いものを賄賂にしたのは大正解だったらしく、今この状況になっているのだけど・・・正直どうやりすごそうかと困っています




というかわたしはてっきりキャサリーヌさんも社長室で仕事をしてると思ってたけど、普通に自分の部屋で仕事してるし、まさか巧叔父さんと二人きりになるとは正直予想していなかったのよ




とりあえず、この睨まれ続けている状態をなんとかしたい、心臓が持たない




なんとか話を逸らそうと、わたしは手に持っているりんごをもう一度巧叔父さんに差し出す




「りんご、食べませんか?わたし、剥きますよ」




「人の話を聞きなさい」




そんな巧叔父さんを無視し、鞄の中からアルミホイルでぐるぐる巻きにしてある果物ナイフを取り出して、りんごの皮を剥こうとしたが





プルプルプルプル




手が震えだして、皮がまったく剥けない




ていうか、わたし、りんごの皮なんて人生で一度も剥いたことない