「きゃ、キャサリーヌさんの恩人が、旦那さん」




「そう。なんか怒鳴った翌日から猛アタックされたって言ってた」




なるほどぉ、確かにたった一人になった時にその突破口を教えてくれた人に好意を持つのは当たり前かもしれない




「その人も設楽で働いてるから、美咲も何れ会えるかもな」




「うん・・・。あっ、あの翔くん!もう一つだけいいですか?」




「ん?」




既に色々なことを教えてもらってまた更に新たな相談をするのは少し申し訳ないけど、最後にこれだけは聞いておきたい





「わたしに何かしてほしいことはありますか?」




色んなことが起きて、わたしはいったい何が出来るんだろうって考えて、だけどたどり着けなかった答えを人任せにする




無責任だけど、わたしも何かをしなければってそう思ってしまう





「・・・別に美咲は何もしなくてもいい」




翔君の口から返ってきたのはやっぱり予想通りの答え




たぶんわたしに下手な苦労事を押し付けたくないからという優しさかもしれないけど




でも