でもやっぱりそうなんだ




わたしがキャサリーヌさんの話を聞いていて胸がズキズキ痛んだのは、無意識に自分と似ていると感じたからなんだ





「予想なんだけど、俺が仕事に戻ったあとに二人が会話をしてそこで美咲は言いたいことを言って、それをキャシーに注意されたって・・・」




「まったくその通りでございます・・・、返す言葉もございません」




小さくなったわたしの落ちこみ具合を見て、少し苦笑いした翔くんはわたしの頭の上に顎を乗せて話を続ける





「でも美咲はまだ恵まれている方だ。まだ外の世界を知らない時に気付けたわけだし、もし一人になっても俺がいるし、家族・・・たぶんあの双子が意地でも美咲を一人にはしないと思う」




「確かに・・・」




「でもキャシーは違う。彼女は何も知らないまま、誰も自分を守ってくれない環境でその問題に直面して、一人ぼっちになってしまったんだ。今の本人からは想像がつかないけど、一時期は自分の今までの生き方を後悔して、毎日泣いていたらしいからな」




会話の途中でキャサリーヌさんが少し沈んでいたのはこのことを思い出してたからなのかもしれない




そう思うと、キャサリーヌさんもわたしを昔の自分と重ねて、自分のようになってほしくないという想いで話してくれてたのかな?




・・・それにしても、翔くん、よくキャサリーヌさんのことをご存じで




確かに社長秘書だから今までも一緒にいることが多かったと思いますが、まさかそんな結構重たい過去話までする仲だったとは・・・