「・・・美咲様、翔様のお帰りはもう少し遅くなりますので、お部屋の中でお待ちになられてはいかがですか?」
「いえ、ここで待ってます」
翔くんの部屋の前に座り込むわたしに対し桂さんは若干困ったような表情を見せた
「ですがこの時期でも夜は冷えますし、もしも美咲様のお体に支障が出ましたら・・・」
「大丈夫です!わたし、風邪とかここ数年引いていません!」
「しかし・・・」
意地でも部屋の前から動こうとしないわたしに困り果てた桂さんはせめて暖かい状態にしてくださいとブランケットを持ってきてくれたので有難く包まることにする
部屋の中で待ってもよかったが、少し頭を冷やさないといけないと部屋の外で翔くんを待つことに
断然に翔くんの方が大変だと思うけど、どうしても無性に翔くんに会いたい
会って何を話すとかまったく考えてないけど、ただただ会いたい
どうしようもなく不安なこの気持ちを和らげてくれるのはきっと翔くんしかいない

