どうして?
まさかあの発言に対しどうしてと聞かれるとは思わなかったわたしは少し戸惑った
「・・・わたしは、小さいころからずっと翔くんを見てきたんです。わたしの中の翔くんはいつも忙しそうで・・・」
「ソコです」
「えっ?」
「あなたは多分気づいていないのでしょうが、ミサキはよく『わたしが思うに』などという言葉をよく使っていませんか?」
「えっ・・・あっ・・・」
キャサリーヌさんに指摘をされ、よくよく思い出してみると、確かにそうだ
よく言っている、ついさっきも『わたしの中の・・・』という最初に自分の意見だというのを主張している言葉を発していた
「確かにあなたはカケルのことを誰よりも見てきたのでしょう、けど忘れないでください。あなたとカケルは違うのデス。考え方や価値観、モノの見方、全てが違うのデス」
「・・・そんなの当たり前じゃないですか・・・二人とも違う人間ですし・・・」
「そうデスネ、だから自分の思っていることを無理やり人に押し付けてはいけないのデス。そしてそれとは逆に人の価値観も無暗に否定してはいけないのデスヨ」
キャサリーヌさんの言葉が胸に徐々に突き刺さってくる

