でも図星だったので、ワザと不機嫌そうに返事をする
「・・・なりましたけど、何か?」
「ワタシもデス。ワタシも昔、ある人から同じようなことを言われ、つい頭にキテしまいました」
「えっ・・・」
「ワタシはですね、裕福な家庭の一番下に生まれてきたおかげで昔から何一つ不自由のない暮らしをしてきたんデス。育った環境が原因だったのかはわかりませんが、妙に我が強いというか、自分が一番正しいと思うように・・・自分の思い通りに事が進まなきゃ我慢が出来ない性格に気付かないうちになっていたんデス」
少しずつ自分の話をするキャサリーヌさんの昔話に少しだけ胸が痛くなった
共通点なんて裕福な家庭に生まれた、ただそれだけなのに、なんでだろう・・・
「アメリカではアイデンティティを大切にすることが一番だったので、特に大きなカベにぶつかることもなく日本の企業に就職することがデキマシタ。けど・・・そこで色々あって、仕事仲間と衝突することが多くなったんデス」
同時のことを思いだしているのか、キャサリーヌさんは少しだけ目を伏せる
「そんな時に言われたんデス。君は自分の意見を押し付けすぎる、もう少し周りのことも考えてやれないのかって、もうすっごい怖い顔で怒鳴られたんデス。本当にすっごい怒ったんデスヨ、あの人!!いつもは全然表情なんて出さないくせにあの時はもう騙された気分デシタ!」
落ちこんだかと思ったら、今度はいきり立っている
本当に表情というか感情が豊かな人だ

