「だ、だってあんな言い方・・・それに今更すぎるじゃありませんか」
自分が思っている以上に動揺していたのか、言い訳がましいことしか言えない
「か、翔くんは今まで設楽の跡を継ぐために頑張ってきたのに、そんな今までのことが全部無駄なような・・・」
「ミサキ、それはアナタが決めることではありマセン」
「だけど、キャサリーヌさん!あんなのって・・・」
つい大きな声を出してしまったわたしの口元に人差し指を立て、キャサリーヌさんはしーっと悪戯っ子みたいに笑う
「ミサキ、ワタシが思うにあなたは少し主観的な意見が強すぎるんだと思いマス」
「主観・・・てき?」
「はい。他に言い方を変えると視野が狭いとも言うんデスカネ?自分が思っていること、見てきたこと、感じ取ったことが全て真実だと思ってはイマセンカ?」
「なっ・・・!」
その言葉に少しだけカチンときた
だってそれじゃあまるでわたしが自分勝手みたいな、そんな言い方
「今、少しだけムッとなりまシタネ」
わたしの心を見透かしたようにキャサリーヌさんは言った

