あまりにも衝撃過ぎて一瞬空耳かと思ったが、違う
確かに聞いた、巧叔父さんのあの言葉を
『一度も設楽を継げとは命じていない』
どうして、今突然こんなことを言い出したのだろうか
というか、どういう意味で
翔くんの反応を見てみると、やっぱり衝撃だったのか、目を見開いたまま動かない
もちろんわたしにとっても吃驚することだが、きっと翔くんはそれ以上に衝撃だったはず
だって、翔くんは設楽を継ぐために幼いころから一生懸命だった
本当なら普通に遊びたかった子供時代だって、ずっと我慢して机に向かっていたのに
こんなの、まるで今まで自分の生きてきた過程を否定するような、そんな
「・・・んで、そんな酷いこと言うんですか」
気付いたら、自然に声が出ていた

