ますます重くなった空気の中、また翔くんが口を開く
「その、会社のことを思ってくださるのは嬉しいのですが、少しは自分の体を労わってはいかがでしょうか?」
父親に対してなのに敬語
そっか、ここは設楽の本社だから、巧叔父さんは社長っていう身分だから敬語なのか・・・
でもどこか少し他人行儀みたいな感じなのは、やっぱり二人の間に距離があるからなのかな?
「お前にそんなことを言われる筋合いはない。そんなことよりお前はどうなんだ」
「と、言いますと?」
「少し日本に離れている間に、まだ表には出ていないが、水面下で結城が色々と動いてるようだな。何故今になるまで気付かなかった」
「・・・!」
重い、重たい
会話が繋ぐたびに部屋の空気が重くなっていく
やっぱり結城のことは知ってたんだ
『結城』というキーワードを出されて思い浮かんだのは輝の顔

