「そうデシタ、忘れてました!カケルとミサキがボスのお見舞いに来てくれたんデスヨ!知ってましたか、ボス?カケルったらいつのまにか結婚してたんですヨ~、吃驚デス!!」
突然こっちに話題をふっかけてきたキャサリーヌさんを恨みながら、わたしはなんとか挨拶しようと息を吸った
「え、あ・・・み、美咲と申します」
『よろしくお願いします』と頭を下げようとしたとき、巧叔父さんがふと呟いた
「みさき・・・?・・・花菱の娘か?」
「えっ・・・あっ・・・はい」
不意に花菱の名前を出されたので、反射的に答えてしまったが、巧叔父さんがわたしのこと知っていたなんて驚きだ
確かに花菱の屋敷に何度も来ていたが、直接的に顔を合わせるのは初めてなのでわたしという存在を認知はしていないだろうなと思ったから、とても意外
「そうか、だがお前がどこの娘と結婚しようが俺には関係ないことだ」
少しだけ緩和されていた緊張も次の一言で一気にまた張りつめられた
息子が結婚したというのに恐ろしく淡泊で冷たい反応
というか、本当に知らなかったのだろうか?
涼香さん(翔くん母)に聞いていないのかな・・・

