さっきまで無言だった翔くんが意を決し、声を出した
するとキャサリーヌさんと言い合いをしていた巧叔父さんの視線が翔くんの方へと向かい、そして一言
「なんだ、お前もいたのか」
冷たく言い放った
久しぶりに会った実の息子に対して突き刺さる視線に冷たい言葉
もしこの人が実の父親だとしたらいったい今どんな気持ちなんだろうか
同じ父親でもわたしのお父さんとは正反対だ
お父さんも倒れて入院する前は比較的に忙しく、会えるのは一か月に一回だけだったし、会えたとしてもすぐに仕事に戻ってしまうけれども、久しぶりに会えた時はとびっきりの笑顔でわたしの名前を呼んで抱き上げてくれた
だから翔くんがお父さんに苦手意識があるのは本当に性格が合わないかとか思っていたけど
全然違った
さっきまでキャサリーヌさんと話しているときとは違う雰囲気
なんだろうこれ、なんだろう
今まで味わったことのない感覚に襲われる
翔くんは幼いころからずっとこれに耐えてきたんだ

