はっきり覚えている、というか忘れるなんてありえない
だってあのせいでわたしは翔くんを一度諦めてしまったんだから
でも、なんでそんな人が今、ここにいて、翔くんに抱き付いて・・・やばい頭がクラクラしてきた
わたしの奇声で翔くんの隣に人がいたことに気付いた金髪美女は驚いたように口元に手を当てた
「オォォー、カケル。ナンですか、このキュートすぎる生き物は!?さ、触ってもヨロシイですか?ヨロシイですよね!!」
「ちょっと待て、キャ・・・」
翔くんの阻止する声も聞かずに金髪美女はわたしに抱き付いてきた
「ふはぁぁぁぁ!!小さい!!とっても小さい!!そしてやわらかい!!さすがジャパニーズ女の子!!アメリカにはこんなキャシャな子はどこにもおりません!!」
いきなり抱き付かれた感想をわたしも一言
デカい。
ただ一言、デカいのだ
ぎゅーっと抱きしめられているせいでわたしの顔はもろに金髪美女のお胸に埋める形に
同じ女性なのにこの不公平極まりない大きさはいったい何だ

