「それで、わたしがその友達をずっと悲しませていたんだなって・・・」
「・・・・・・」
大まかなあらすじを話した後、わたしと亀谷さんの間にしばらく会話はなく車内は沈黙状態だった
おやっ・・・?反応が返ってこないぞ・・・
もしかして亀谷さんにも呆れられた!?
そうだよね・・・あんな酷いことしちゃったんだから、さすがに慰めの言葉なんて出てこないよねぇ・・・
「・・・若いころは皆、知らないうちに誰かを傷つけているものです」
更に落ち込み始めたわたしは亀谷さんの言葉で顔をあげる
「その傷をずっと気づかずに後で後悔するよりも、わたしは今、美咲様がそのことに気付かれたことは別に悪いことではないと思っております」
「・・・・・・」
「大人になってから『あぁ、あの時もっと早く謝っておけばよかったな』って後悔するよりも、今、まだ普通に顔を合わせられるときに『ごめんなさい』と謝っておいたほうがずっといいに決まっていますからね」
そう言って、ミラー越しに見えた亀谷さんの笑顔は少しだけ悲しげに見えた
まるで亀谷さんは自分自身に言い聞かせてるみたいなその言葉をわたしはどう受け止めたらいいのだろうか?

