猛スピードでわたしが向かった先は学校
どうしてかわからないけど、さっき突然とある人物のことが頭に過った
今までは全然気づかなかったけど、あんなことしたのも、あんなところにいたのも、きっとこのことに繋がっているかもしれない
それにあの人は・・・
「輝!!!」
授業中で誰もいるはずのない廊下にその人物を見つけ、大声で名前を呼ぶと、彼はいつものように気だるげに振り向いた
「・・・何?どうしたの、美咲?」
「どうした・・・じゃない!!全部・・・全部・・・」
わたしの表情や雰囲気がいつもと違うって気づいたのか、輝は一瞬だけ悲しそうに目を伏せたが、すぐに顔をあげた
「やっぱり、気づいちゃったか・・・。ここじゃあ、なんだから、少し場所を変えて話そうか」
そう言うと、輝はこの場から離れよとスタスタと歩いて行った
わたしもすぐそのあとを追う
心臓がドクドクと鳴る
確信はなかったが、輝の態度を見てやっぱりと思う反面、少しずつ悲しさが込み上げてきた

