でもそしたらなんであの時に言ったんだろう
一週間前に花菱を買収することが決まっていたとしたら、もっと早くにその計画があったかもしれないのに、なんであんなギリギリの時に・・・?
あんな短時間じゃどんなに頑張ったとしても買収を止められるわけない
・・・、そもそも美礼さんってわたしが花菱の人間だって知ってたのかな?
もし知らなかったら、どうしてわたしなんかに・・・
「・・・がう・・・」
「美咲?」
「・・・花菱じゃない・・・」
確信はなかったが、居ても経ってもいられなくなりわたしは兄さんたちの声も聞かずに全力で走り出した
そうだ、美礼さんは知らなかった
美礼さんはわたしが花菱の家の子なんて知らなかったんだ
だから、あの忠告は花菱買収に対して言ったことじゃない
本来の意味はもっとその先のこと

