「おーい、秋ー?そっちになんかいたーってあれ・・・?」
曲がり角からひょこっと現れたのはかなり見知った顔
「・・・えっ?」
「ぷーっ、それで美咲に攻撃されたってわけ?あはは」
春兄さんは秋兄さんがわたしに攻撃されたところをぺしぺしと叩き、一人けらけらと笑っている
まさか不審者と思ってたのが兄さんだったなんて・・・
まだ痛みが引かないのか、兄さんは何度もお腹を摩っている
「ご、ごめんなさい・・・兄さんだと思わなくて・・・」
「いや、むしろナイスガッツだよ美咲。攻撃したあとにすぐ逃げずに撃退しようと立ち向かう姿なんてもう全然か弱い女の子らしくなかったよ、さすがだね」
うわっ、笑顔で人のこと褒めてるかのようでさらっと貶してる
だけど、今回はわたしが悪いのでぐっと我慢
「ところで、美咲は何しにここに?」
きょとんとした表情で首を傾げている兄さんたちを見て、わたしは本来の目的を思い出した

