途端に怖くなり、急いで屋敷から出ようと出口に向かおうとしたその時
「ひっ・・・!」
誰かに腕を掴まれる感触がした
「い、いやぁ、むぐっ」
助けを呼ぼうと大声を出そうとしたが、すぐに口を塞がれた
どうしよう、どうしよう、どうしよう・・・まさか泥棒!?
屋敷に誰もいない今を狙って忍び込んできたのならば、十分に可能性はある
わたしはどうにかして逃げようと肘で渾身の一撃を相手のお腹に食らわせた
すると泥棒?はうぐっと呻き声を上げ、後ろに一歩下がったすきに腕を掴んでいる手を振りほどきその人物から少し離れた
設楽の屋敷の壁を突き破ったわたしはそんじょそこらのか弱いお嬢様じゃないんだからね!!
いつ襲ってきても大丈夫なように拳を構え、様子を窺っていると目の前で俯いている陰から聞きなれた声が聞こえてきた
「いたたた・・・まさか実の妹に腹を突かれるなんて・・・」
えっ・・・・、まさか・・・

